言語聴覚士に転職したい!言語聴覚士の魅力は?やりがいは? 介護職・由美さん編

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言語聴覚士を目指す方むけ

今の仕事をやめて転職してみようかな、言語聴覚士はどうだろう、でもよくわからないし不安だなあと思っていませんか。

一般企業から転職経験のある現役の言語聴覚士がわかりやすく伝えます。

 

言語聴覚士(ST)のツムジと申します。

知り合いの由美さんが、言語聴覚士への転職を迷っているそう。

個人的には、言語聴覚士に出会えてよかった、いい仕事だなあと思っています。

でも、言語聴覚士の実際を知ったうえで目指してほしいと思っています。いいことだけじゃない本音を伝えるね。

由美さんは30代前半の介護職。

介護の仕事を通じて、言語聴覚士の仕事を知りました。由美さんの目には言語聴覚士は魅力的に見えているようです。

言語聴覚士の仕事は、実際に魅力ある仕事なんでしょうか。

看護師と言語聴覚士の違い

由美さんは転職を考えたとき、すぐに言語聴覚士が思い浮かんだの?

うーん。最初に思い浮かんだのは、看護師。それから言語聴覚士かな。

へえ、そうなんだ。看護師じゃなくて言語聴覚士を目指そうと思ったのはなぜ?

看護師は利用者さんの全体をちょっと離れた位置で見ている気がしたの。リハビリの人たちの方が利用者さんと近くて、個別で関わる時間がとれるのはうらやましいなあと思っていたのわ。だから言語聴覚士の方がいいかなって。

作業療法士・理学療法士と言語聴覚士の違い

ツムジさんはなりたいと考えたのは言語聴覚士だけだった?

私は最初に言語聴覚士になりたい!と思ったけど、実はそのあとで作業療法士もいいなあと迷ったことがあるんだよね。

あら、意外。なんで言語聴覚士を選んだの?

私、言語聴覚士になる前に、福祉用具や介護用品の営業販売の仕事をしていたの。高齢者のお客様に、玄関に置く踏み台を紹介したときに、同席していた訪問の作業療法士が踏み台と上がり框の段差を測って、「よし、○○㎝の段差が目標だね」と利用者さんに言っていたのね。こんな風に具体的に目標を立てるんだ!面白い!と思ったのを覚えている。

あれ?完全に作業療法士になる流れだけど?

調べていくうちに作業療法士の扱う分野の幅広さに戸惑ったのよ。身体障害・発達・高次脳機能障害・精神障害、みんな専門なんだ、広すぎる!と思ったの。

その点、言語聴覚士は、専門が「コミュニケーション」と「食べる」だからわかりやすかった。あと大学が言語系だったから「コミュニケーション」にひかれたのもあるかなあ。

作業療法士の分野は広すぎて、困っちゃったんだ。

今でも、作業療法士は言語聴覚士の分野も理学療法士の分野も含む、オールマイティーなイメージは変わらない。

自分の関わりたい分野がはっきりまだわからないという人は、作業療法士を目指して、勉強していく中でやりたいことを絞っていくのもいいよね。

ちょっとちょっと、ツムジさん、作業療法士、推しすぎじゃないの?

だって、作業療法士もいい仕事だもの!

最終的には、私の場合は、言語聴覚士へのときめきを作業療法士は超えれられなかった、そこは個人差だと思う。

出てこなかったけど、理学療法士は?

理学療法士は基本動作(寝返り・起き上がり・座る・立つ・歩く)+呼吸が専門だから、わかりやすいよね。

STの学生や新人に聞くと、最初は理学療法士を目指そうと思って、オープンキャンパスに行き、言語聴覚士を知って、方針転換しましたって子が多い。

リハビリといえば理学療法士のイメージは強いものね。

じゃあ、その子たちに、なんで理学療法士じゃなかったの?と聞くと、理学療法士はすでに人数が多くて、飽和状態に近いと聞いたから、とそろって答えるの。

有資格者数で比較すると、理学療法士や約13万人、作業療法士は約8万人、言語聴覚士は約3万人だから、数が全く違うね。

言語聴覚士の魅力は?やりがいは?

経験者として、言語聴覚士の魅力って何だと思う?

言語聴覚士の魅力は「コミュニケーション」「食べる」という生きるうえでの根幹の部分にググッと関われるところだと思う。

自分だったら動けないこともつらいけど、話せない・食べられないこともつらいだろうなと思うから。

どちらもつらいけど、私も一番つらいのは食べられないことかも。

あと「話せない」ことは「動けない」ことと違って、外から見えづらい、気づかれにくい問題なんだよね。その問題を抱えた方を、理解し支えられるSTの存在はとても大事だと思っているよ。そこにやりがいを感じるね。

私の知っている、失語症の人って、ニコニコして、穏やかな雰囲気の人が多いけど、実際の心のなかは違うんだろうね。

そうだね。失語症の方は「空気を読む」からね。

ことばがわかりにくい分、周りの状況にとても気を配っているよ。人の視線とか表情とか、言語以外のものからできるだけの情報を受け取って、理解しづらい部分を必死で補っている。繊細だし、人が自分に対してどういう態度をとっているか、敏感だよ。

だから、ニコニコしていることが多いのかも。

そう聞くと切なくなるね。失語症って、難しいなあ。

失語症がどんなものかを表す例えでよく使われるのが、「外国に行ったときの状態」なんだよ。

外国に行って、ことばが通じないってこと?

そう。でも、単にことばが通じないと言っても、失語症の場合は、相手の言っていることがわからない、自分が言おうとしても言えない、文字が読めない、文字が書けない。

ある日突然、そんな風にことばが失われてしまう。

そして、その状態がずっと続くわけだから。少しずつ良くなって、慣れてはしていくけどね。

怖い!想像すると本当に怖いね。

そんな辛い状況なら、支えてくれるSTは失語症の人に頼りにされるだろうし、期待もされるだろうね。

STは特に個室で患者さんと1対1で関わるから、患者さんとの関係性は深いと思うよ。

よくなりたい!という期待に応えられるように日々、勉強。患者さんにとっての最善を尽くすことが使命だと思っているわ。

まとめ

話を聞いて、失語症のイメージがちょっと変わったな。

失語症の方を支える言語聴覚士はやりがいあって、そこが魅力でもあるけど、期待される分、本気でがんばらなといけないと思ったよ。

言語聴覚士は魅力ある仕事だと思う。

でも他の職種もそれぞれ魅力があるよ。

言語聴覚士だけを勧めるつもりは全然ないので、他の職種のことも資料を取り寄せたり、オープンキャンパスに行ってみたり、自分で動いて調べてみるといいと思います。

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