言語聴覚士に転職したい!でも、勉強が不安!介護職・由美さん編 

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言語聴覚士を目指す方むけ

今の仕事をやめて、言語聴覚士を目指してみようかな、でも不安だなあと思っていませんか。

一般企業勤務から転職した経験のある言語聴覚士がわかりやすく伝えます。

 

言語聴覚士(ST)のツムジと申します。

知り合いの由美さんが、言語聴覚士への転職を迷っているそう。

個人的には、言語聴覚士の仕事は大好きで、言語聴覚士に出会えてよかったと心から思っています。

でも、言語聴覚士の実際を知ったうえで目指してほしいので、いいことだけじゃない本音を伝えるね。

由美さんは30代前半の介護職。

この年齢でまた一から新しい勉強をするのが不安だと言っています。

言語聴覚士になるための勉強は、介護現場を経験してるからこその気づきがあり、特におもしろいと思いますよ。

言語聴覚士になるための勉強内容は?

言語聴覚士になれたらいいなあと思っているんだけどね、とにかく、勉強が不安で。私なんて学生の頃から勉強が得意な方じゃなかったし。言語聴覚士になるためにどんな勉強をするの?

由美さん、わかるよ~。不安だよね。

言語聴覚士の勉強は、結構、幅が広いの。ちょっと言語聴覚士養成カリキュラムを見てみようか。

 

難しそう!! できる気がしない!

これだけ見ると、そうなるよね。

でも、介護職に関連ある科目もいっぱいあるから見てみて。

例えば、嚥下障害・聴覚障害なんかは、実際の利用者さんで見たことあるんじゃない?

うん。確かに。

高齢の利用者さんのほとんどは耳が遠いから大きな声でゆっくり話さないと伝わらないし、むせるからお茶にとろみをつけている嚥下障害の方も多いわね。

そうだよね!嚥下障害と聞いて、どんな状態がイメージできたら、一歩リードだよ。

高次脳機能障害や失語症はどう?

うーん。利用者の田中さんは失語症で、なかなかことばが出てこないんだけど、一生懸命にしゃべろうとしてくれて、がんばれ!と応援したくなるなあ。

高次脳機能障害はことばは聞いたことがあるくらい。どんな風なの?

そうだね。例えば、食堂で食事をするとき、テレビがついていると食事が進まない方っていない?

いるいる!テレビに集中して手が止まってしまう人。

 

私たちなら、テレビを見ながら食事をすることって、普通にできるよね。

高次脳機能障害の1つである、注意障害(注意の配分がよくない)の方は、複数のことに注意をむけて、同時に行うことが難しくなるの。

へえ~、びっくり!食事が進まないのが高次脳機能障害のせいだなんて、考えたこともなかったわ。

それが症状だと気づいていないだけで、介護の現場ではたくさんの高次脳機能障害の方に関わっていると思うよ。

なるほどねえ。高次脳機能障害がちょっと身近に感じてきたわ。

あとは、社会保障制度。特養の利用者さんなら、介護保険の認定を受けているでしょう?

うん。特養に入所するには要介護3以上じゃないとだめだから。

そうだよね。要介護3とか要介護5とか聞いたら、どんな状態の利用者さんかイメージできるよね?

それは任せて!

要介護度とその状態が結びついているのは、現場を経験しているからこそだよね。言語聴覚士のカリキュラムで、介護職と関連ある部分は意外と多いでしょ?

ツムジさんに言われて初めて気づいたわ。

言語聴覚士になるための勉強方法は?勉強のコツは?

介護と関連する部分が多いのはわかったけど、30代になると若い子のようには覚えられないよね?どうやって勉強すればいいと思う?

うーん。暗記しようと思うからきついんじゃない?

えっ?暗記しないってどういうこと?

まずはきちんと理解することが前提なんじゃないかと思うんだよね。

やみくもに覚えようと思っても、10代、20代の子たちには敵わないわけだから。

理解する?覚えるじゃなくて?

そう。きちんと理解したことは身につきやすいし、簡単に忘れない。

私の場合は、授業中はとにかく先生の言うことをイメージして、その場で理解することを目標にしてたの。

ノートはその理解したことを思い出すきっかけだから、少々汚くても自分が読めればいい。

はあ~、私、学生時代、きれいにノートとるのに命かけていたタイプ…。ツムジさんと真逆だわ。

ふふふ、そうだったんだ。由美さんの場合は、さっきのみたいに、イメージの引き出しがいっぱいあるから、利用者さんと照らし合わせながら、理解していける。すごく有利だと思う。

なるほどなあ。イメージして理解すれば、自然に頭に残るって感じね。

その通り。科目ごとの試験がたとえ暗記で乗り切れたとしても、広範囲から出題される国家試験は暗記では太刀打ちできないと思う。

そうだろうね。就職してからもその知識を使うわけだしね。

でも、さっきの注意障害みたいに、新たな発見があると、勉強って楽しい気がする。

実は私の夫は特養勤務の介護職から作業療法士になった人なの。言語聴覚士も作業療法士も同じリハビリ職。夫は「介護職のときに疑問に思っていたことがリハビリの勉強していくと、そういうことだったのか!とハッとさせられることが多かった」と話していたわ。

その経験がすごく面白かったって。

言語聴覚士でも同じことが言えそうだわ!

あとこれは私なりの授業内容を思い出すコツね。先生の授業中の雑談の内容をメモしたり、ちょっとしたイラストをつけておいたりすると、記憶を呼び覚ましやすいよ。

わ~い、私、字よりイラストの方が得意かも。

どんな時間に勉強する?うまい勉強時間のやりくりは?

学校が一日あって、ツムジさんは自分でする勉強はどんな時間にしていたの?

私は家に帰るとダラダラしてしまうから、授業が終わってから1時間は学校に残って勉強するようにしていたの。あと、意外に大事なのが、通学時間。私の場合、学校まで往復2時間はかかっていたから。

えらいね~。でもそれくらい、自分を追い込まないと、勉強時間を確保するのは難しいよね。

由美さんはお子さんがいるからもっともっと大変だろうね。集中できる時間って限られるから、家事の合間とか、細切れの時間をうまく使うのがいいんじゃないかなあ。すきま時間も「塵も積もれば山となる」だね。

私、スイッチ入るまでが時間がかかるタイプなんだよね…。

15分とか20分とかタイマーをかけて、その間は何があっても集中する方法もオススメ。

どちらにしても、子どもが寝てからが勝負になりそうだね。今みたいに一緒に寝落ちしている場合じゃないわ。

由美さん、それ子育てあるある。

まとめ

言語聴覚士の勉強が難しいのは間違いないけど、介護の仕事に関連する部分が多いって、わかったのは大きな収穫だった。嚥下障害から言語聴覚士の仕事を知ったんだけど、高次脳機能障害にも興味が出てきたわ。

介護の仕事をしてきたからこその学びの面白さがあるのかもね。

私は介護分野で言語聴覚士をしているので、介護職の方と関わることが多いのです。介護職の方の経験の豊富さ、生活を見られる観察眼をもって言語聴覚士になれば、最強なんじゃないかなあと思っています。
介護職、由美さんの転職シリーズはこちらも。
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