STツムジ@介護分野です。
日々、在宅を訪問して、言語や嚥下のリハビリテーションを担当しています。
バリアフリー2018に行ってきました第6報です。
靴につけられるGPS認知症徘徊感知機器の紹介です。
iTSUMOはアーバン福祉用具が開発・販売
アーバン警備保障株式会社の介護福祉事業。
アーバン警備保障(大阪)のアーバン福祉用具(奈良)が開発・販売しています。
「散歩」が「徘徊」にかわった時にお知らせするよ!
GPS認知症徘徊感知機器 iTSUMO(いつも)
認知症や徘徊症状がある方への徘徊対策。
いつも履いてる靴に端末を取り付けるだけ!
左が端末、真ん中がケースです。
右はケースごと、靴に取り付けた状態です。
専用の靴ではありません。
今履いている靴に取り付けられます。
靴に取り付けられることに大きな意味があります。
認知症の徘徊って?
「家のなかや外を歩き回る」認知症の周辺症状の一つです。
周りからは、あてもなくさまよっている、歩き回っているように見えますが、本人は目的を持っていることが多いです。
例えば、
「定年して15年もたっているのに、会社に行こうとした」
「自分のいる場所が自分の家だと感じられず、家を探そうとした」
本人は何かをしようとして歩き始めている場合があります。
また最初は目的があったけど、途中で忘れてしまって歩き続けていることもあります。
記憶力が低下していたり、自分のいる居場所がわからなかったり、認知症の中核症状がもとで起こる場合もありますが、本人の不安感やストレスが原因となっていることもあります。
認知症の方は疲れを感じにくいことがあり、歩き続けて何十キロも離れた場所で発見されるケースも。
いくら家族でも、ずっと見張っておくことはできません。
徘徊のパターンをつかむなど、徘徊させない工夫も大事ですが、徘徊してしまっても周りがなるべく早く発見できる仕組みが重要ですね。
GPS認知症徘徊感知機器 iTSUMOとは
GPSとは
「人工衛星の電波を利用して、現在位置を正確に割り出す、位置情報計測システム」のこと。
カーナビ等に使用されているシステムです。
「iTSUMO」は
靴などにつけた端末のGPS機能で、徘徊する方の移動・位置情報を感知し、登録した最大5カ所にメールで通知し、徘徊する方を早期に発見するための機器です。
iTSUMOの使い方
GPS端末を専用のケースに入れて靴に固定します。
通知メール受信のアドレス設定をすればOK。
配線工事等が不要で簡単に使い始めることができます。
iTSUMO カタログより
GPS端末のサイズは
横幅 38.5mm (90.0mm)
高さ 45.5mm (110.0mm)
厚さ 11.85mm (21.0mm)
( )内はカバーをつけたサイズ。
約30gと軽いので靴につけられ、ほとんどの靴に取り付けできます。
端末を家に置き忘れることはありません。
と言っても、そもそも徘徊する方に「外出するときはこれを持っていってね」は通用しませんから、常に携帯してもらうには工夫が必要です。
サンダル・ベルト・杖・歩行器・バッグ・お守り袋等、つけられそうなものはありますが、必ず持って出るとは限りません。
靴は、徘徊する方が最も身に付けて外出しやすいものですね。
はだしで出かけてしまうような場合は除きますが。
iTSUMOの機能
iTSUMOの機能は大きく分けて4つ。
①振動センサー機能
対象者が靴を履くと、靴につけた端末のセンサーが振動を感知して、登録してある最大5カ所のパソコン・タブレット・スマホにメールを送信。
一度振動を感知すると位置情報が2分おきに、歩いている限りは通知し続けます。
移動通知の送信内容は ①北緯経度、住所 ②通知時間 ③ゼンリンマップ
②エリア通知機能
端末が指定範囲エリアを超えると、作動し、最大5カ所に通知メール。
指定範囲は50m~99㎞まで可能。
③タイマー通知機能
対象者がどこにいても、定期的に居場所をメールで通知。
タイマーA機能 指定した時刻になると、端末の位置情報を自動で通知。
タイマーB機能 指定した時刻になると、一定の間隔で端末の位置情報を自動で通知。
間隔は5分おき~23時間55分おきまで任意で設定可能。
⓸位置情報検索機能
日時、場所、位置情報を表示。
機能が充実しているので、使い分けができますね。
- 家を出かけようとした時点で知りたいなら①振動センサー機能
- 近所の散歩なら大丈夫、遠出が心配なら②エリア通知機能
- 夕方、デイサービスから帰ってからが心配なら③タイマー通知機能
iTSUMOのその他の特長
- 靴につけた端末が目印になり、本体から端末のブザー音を鳴らすことができるので、捜索しやすく、早期に保護ができる。
- 感知する振動量を0.0Gから8.0Gまで振動量を調節可能。(検証の結果、歩行中の一般的なGは0.8G程度だそう)
- 連続待ち受け時間は400時間と長い。
- 充電池の残量が、30%⇒15%⇒電池切れで通知メールが送信。
- コンセント付きのマイクロUSB充電で、端末を専用ケースに入れて靴につけたまま、充電が可能で取り外す手間がない。
動作環境
パソコン Windows7以降 MacOS X以降
タブレット スマートフォン docomo au SoftBank
iTSUMOは介護保険対象?
基本的には購入でなく、レンタルです。
介護保険の福祉用具の貸与に、認知症老人徘徊感知機器の項目があります。
原則、要介護2以上、また人感センサー型やマットレスタイプが対象。
iTSUMOのようなGPSタイプは介護保険レンタルの対象外です。
ただし例外的にiTSUMOを介護保険の対象にしている市町村が全国に380市町村あります。
また、介護保険とは別に独自サービスとして、GPSタイプを市町村独自で貸し出しをしている場合もあるそうです。
お住まいの市町村や担当ケアマネージャーに問い合わせ下さい。
介護保険の対象となれば
月額利用料:1300円程度(介護保険1割負担)
初期費用:0円
解約手数料:0円
製品お問い合わせ先
アーバン福祉用具
電話 フリーダイヤル 0120‐126‐178
携帯電話からは 0745‐55‐0126
(受付時間10時~17時)
メールでのお問い合フォームはこちら
マニュアルやよくある質問などサポートページはこちら
iTSUMOの動画の情報もあります
使用方法動画
イメージ動画
2016年に認知症による徘徊で警察に届けがあった行方不明者数は全国で15,432人だそうです。
(警視庁 平成28年の行方不明者の状況より)
在宅だけでなく、デイサービス等の通所サービス利用中に、利用者さんに出て行かれてしまい、利用者さんが事故に巻き込まれたり、亡くなられたりして訴訟になったケースがあります。
かといって、鍵をかけたり、ベルトをすれば、拘束だと言われてしまうのが現実です。
徘徊する方を、拘束ではなく、安全に見守り、速やかに保護することが求められますね。
認知症の高齢者が列車事故で亡くなり、遺族がJRから賠償請求をされた裁判についての本の紹介です。参考に。
バリアフリー2018報告記事は他にも。
よろしければどうぞ。
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コメント
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